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愛しては、ならない
第57章 二十歳の同窓会②
「森本君……!」
友佳が彼に駆け寄り俺を非難する様な眼差しで見る。
俺は鼻白むクラスメイト達を一瞥してから頭を軽く下げた。
「皆、すまない……俺はこいつと外で話すから……俺達の事は気にせずに楽しんでくれ」
「ちょっと、西本君っ」
森本を庇うように彼の前に立つ友佳に俺は笑いかけ、小さく呟く。
「それと、俺はもう西本剛じゃあない……」
「え……?」
友佳の肩を叩き、森本は起き上がると俺を真っ直ぐに見て彼の声とは思えない低い声を出す。
「剛……分かった。ここで暴れたら店の迷惑だしな……表へ出ようぜ」
「ああ」
俺は頷き、出ていく彼に続いた。