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愛しては、ならない
第57章 二十歳の同窓会②
「森本君!西本君……っ」
狼狽える友佳の声を背中に聞きながら俺達は店から出た。
森本は通りに面した入り口付近では人目につくから、と裏口へ回る。
換気扇のダクトからデミグラスソースの香りが漂っている。
従業員達は恐らく裏口のドアから出入りするのだろう。
塀の近くにはプレハブの小さな小屋が立ててあった。恐らくゴミ入れなのだろう。
裏のスペースは広く、部屋一つ分と言ったところだった。
「これだけ広きゃあ思う存分暴れられるかな」
俺が呟くと、森本がいきなり後ろからキックしてきた。
「っ……と」
俺は奴の足が空を切る音を察知して、間一髪でかわすがバランスを崩して小屋に手を突いた。