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愛しては、ならない
第57章 二十歳の同窓会②
遠くにまた稲光が見えて、何秒かしてドーンという地響きが聞こえる。
先程よりも近くに落ちたらしい。
雨は徐々に強くなり、肌に落ちる粒が跳ね返る。
俺達はずぶ濡れのままで睨みあっていた。
「――傷つけられたのは俺の方だ……お前、何を言っているんだ」
俺の言葉に、森本はクスリと笑って濡れた髪をかきあげた。
「やれやれ……お前って、見かけ程よく分かってないなあ……」
「何……?」
「自分だけが可哀想って思ってるとか……三歳児かよ」
「――なっ……」
カッとなり、奴に掴みかかろうとした瞬間、店の裏口の扉が開いて清崎が顔を出し、俺達を見て顔色を変えた。
「――彰!剛君!なにやってるの……っ」