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愛しては、ならない
第59章 再会②
『……やあ……はじめまして……えっと』
「俺は初めてではありませんよ……悟志さん」
菊野が、電話を掛けてきたのが悟志だと分かると、怯えた様にこちらを見た。
俺は彼女を真っ直ぐに見つめながら、彼の声を聞いていた。
『ああ……そうなんだよね……すまないね……本当に……
ところで君……今、西本の姓を名乗っていないって、本当だったんだね……
でも、戸籍は西本な訳だし、意地を張らないで、うちの名字を名乗ったらどうかな……』
「……そんな話をするために掛けてきた訳ではないでしょう?悟志さん」
悟志は一呼吸置いてから切り換えるかのように明るい口調で言った。
『うん……まあ……そうだね。菊野はそこに居るかい?』