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愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
「……紅茶でいいですか?それとも……折角ですし」
剛は悪戯に瞳を輝かせて、棚の奥からワインのボトルを出してカウンターに置いた。
目を丸くする私に、淀みない口調で言った。
「貴文さんと花野さんからお祝いにいただきました……酒を飲めないよりは、幾分か覚えた方がいいだろうって」
「――ななな……何をしてんのかしらっお父さんもお母さんも――剛さんはまだ未成年」
「――俺はもう大人です……忘れてます?俺の年齢。もう今日で二十歳ですよ」
「あっ……そ、そうだったわ」
あたふたする私を剛は笑いながら見て、ワイングラスを出して琥珀色の液体を注ぐ。