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愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
剛にグラスを差し出されて、私はおずおずと受け取る。
彼の持つグラスと私の手元のグラスがぶつかってチン、と涼しい音がリビングに響いた。
「――乾杯……ですね」
彼がとんでもなく大人の男性に見えてきて、私は飲まないうちから体温が急上昇していく。
無言で何度もカクカクと頷く私を見る彼の瞳が一瞬妖しげに光る。
「……菊野さんと……俺の再会に……」
「う……うん……そうねっ‼私……まさか剛さんとこうしてお酒を飲める日が来るなんて思わなかった……」
彼は無邪気な笑みを浮かべ、その表情と先程の色気のある瞳とのギャップにドキドキしてしまう。