この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
「――っ」
やはりあれは聞き間違いではなかったのだ。
剛は、悟志に私を帰さないと――
悟志が、フラッシュバックを起こして倒れている映像が瞼の裏に浮かび、背筋が凍った。
「……ダメよ……ダメっ‼帰らなくちゃ……っ悟志さんが……自殺してしまうかも知れない――‼」
「え……?」
「悟志さんは……悟志さんは、剛さんの事を話に出したりすると、発作を起こしたり、自傷したりする事があるのよ……っだから」
「菊野さん」
狼狽え、取り乱す私を彼は強く抱き締め、唇を重ねてきた。
舌が割って入って来て、それ以上何も話せなくなってしまう。