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愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
唇を奪われ吸われ掻き回されながら必死に身を捩るが、彼の鼓動が聞こえて来てドキリとした。
余裕たっぷりに私を翻弄していたかの様に見えていたけれど、本当は彼にも余裕がないのだろうか?
彼の荒い息に、掌から伝わる焼けるような熱さに、もどかしいまでの恋情を感じる。
そして私は、今初めて彼の手が微かに震えている事に気が付いた。
――剛さん……剛さんも、ドキドキしているの?
私に触れて……どうしようもない程にときめいているの……
私が今、剛さんに全てを狂わされそうになっているけれど、貴方も同じ様に狂おしい嵐の中に居るの――?
漸く唇が解放され、自由に呼吸が出来る、とホッとしたのも束の間、私の視界に見覚えのある天井が入り、愕然とする。
剛はいつの間に寝室へと入って、私をベッドへと降ろしたのだ。