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愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
剛は瞳を潤ませ、すがり付くような声で言った。
「菊野……本当の事を言って……」
「……ほ……本当もなにもっ……それが本当なんだから……っ」
「菊野……」
流れる涙を止めることができず子供のようにしゃくりあげてしまう。
――お願い……私をそんな優しい目で見ないで……
以前と同じ、いえ、もっともっと深く貴方を好きになってしまう――!
「わ……私は、貴方を愛してなんかいなかったの!」
苦し紛れに大嘘をいい放ち、彼から引ったくるようにバッグを取り返し、身体を起こしてベッドから降りようとした時、バックの口が開いてしまい中身が床に散らばった。