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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
仕掛けかと思い、叫んで身を縮めたが、何秒経っても次に何も起こらないまま、暗闇のままだった。
「え……?」
気がつけば、効果音の悲鳴やすすり泣き、音楽も全て止んで、自分の息遣いだけが響いている。
「な、なんで?」
周囲を見回すが、やはり何も見えない。
「ま……まさか、停電、とか?」
そう呟いた時、目の前に女の姿がぼうっと浮き上がり私は腰を抜かす。
良く見れば、姿見に映った自分だった。
「なんだあ……
もうっ……びっくりし……」
安堵したのも束の間、目が慣れてくると、仕掛けの人形達の姿まで浮き上がって見えてきて、私は息を呑んだ。