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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
人形達は皆一様に大きな目を開きこちらを見ている。
いや、そんな訳はないと分かっては居るが、沸き上がる恐怖がそんな錯覚を起こさせるのだ。
私は目をギュッと瞑り首を振ると、深呼吸をした。
「お……落ち着け……私っ……
きっと、今に復旧するはず……」
不意によろめき、何かが首筋に触れ、背筋が凍る。
真後ろに、頭が割れて骨が見えている男の人形があったのだ。
「きゃあ――――っ」
私は堪らず悲鳴を上げ、その場に踞る。
「……だ……大丈夫……大丈夫っ……
これは……ウソものなんだから……っ」
嫌な音を立てる心臓をどうにか落ち着かせるよう、私は必死だった。