この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋



「菊野……これは」



彼が手に何かを掴んでゆっくりと振り返った。

その掌の中にある物を見て、私は何も言えずに自分の口を覆う。

彼はゆっくりと私に近付き、こちらにそれを向けるが、私は思わず顔を逸らす。




「菊野……これは何?……何故……今でもこうして持っているの?」

「……」



彼の顔を見れぬまま私は俯いてシーツを握り締めるしか出来ない。

聞かれるまでもない。

私はそれを毎日肌身離さず持ち歩いていた。

出掛ける時にはバッグの奥にしのばせて、家ではドレッサーの引き出しに大切にしまい、眠りにつく前に取り出しては眺めていた。

そう、それは、剛が私に贈ってくれた、ハンドクリーム。

中身が空になっても捨てられず、ずっと持っていた。

捨てる事なんてできやしなかった。

だって、これは貴方が私に初めてくれた物だから――




/1680ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ