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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
剛ときっぱり決別して日常に生きて、悟志を愛していこう――と思って四年間を過ごしてきた。
剛の事を考えない日は一日たりと無かったが、このまま会わずにいればいつかは忘れられる筈だった――多分……
だが、それも今夜、あっさりと打ち破られた。
私は自分の中の熱情に勝てなかった。彼への恋を捨てる事が出来ずに悟志と夫婦でなど居られる訳がない。
でも、剛とも別れなければならない……
「……っ」
彼に触れられた肌が私を責める様にズキリ、と痛んだような気がして私は唇を噛み締める。
私が、剛と悟志の為に出来ることは、私が彼らの人生から姿を消す事なのだ。
もう、それしか方法が無いとしか思えなくなった私は、バスルームから出てドライヤーで髪を乾かしながら、これから具体的にどうするのか考えをめぐらせた。