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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
「海が綺麗ですよね……海で泳ぐ菊野さんはもっと綺麗だろうな……」
「残念……私、泳げないのよ」
「俺が教えます……」
「ふふ……お手柔らかにね?剛先生?」
「俺は厳しいですよ……真面目にやらないとお仕置きが待ってます」
「ええ?やだあ怖い」
ベッドで指を絡め合いお互いの目を見ながら、私達は他愛ない会話をする。
まるで、普通の恋人同士がそうするように、とりとめない幸せな、何てことのないやり取りだった。
私達の出逢いが違う形だったなら、この会話を本当に出来たのだろうか。
こことは違う土地で二人で生きる――
そんな事が、夢でなく現実に出来たのだろうか?