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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
彼の真っ直ぐな前髪が切れ長の瞳を隠していて、私は思わず髪に触れて彼の額を露にする。
彼の瞳が真っ直ぐ私を見ている。恋い焦がれる色で一杯にして。私もきっと同じ目を彼に向けているのだ。
――好き、大好きよ、剛さん。
けれどもうそれもおしまいなの。
最初から分かっていた――いつか本当の別れが来ることを。
死に別れるのではなくても、家族という絆があったとしても、別れが訪れる事もある――
もう、貴方には会えない。
貴方が私を想わなくなるその時まで、私は貴方に会うことは出来ない。