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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
――私は、夢を見ていた。
暗闇の中で、小さな燭台を持ち歩いていた。
蝋燭の火は頼り無く、歩を進める毎に揺らめいて消えそうになる。
何処へ向かって歩いているのか。
そう、私は、ふたごの星の兄弟を探しているのだ。
一体いつからこうして探しているのだろうか?
ふと目眩を覚え、バランスを崩してしまうが、右足を踏み外しそうになり身体中が総毛立つ。
私は、細い細い、一本道の上を歩いているのだ。
やっと人が一人、通れる細い細い道。
道の下は深い崖で、ここから落ちたら、まず這い上がる事は出来ないだろう――
私は、小さな少女の姿になっている。
視界に入る自分の小さな手や足が、微かに震えていた。