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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
私は、離れた場所から、幼い自分を見ていた。
(あ、危ない……
何故、そんな危ない場所を通ろうとするの?)
幼い私が、こちらを振り返り、真っ直ぐに見る。
『ジョンとマルコを見つけて、お家に連れて帰るの』
(その先には、魔女が居るのよ――?
あなたが食べられちゃうわ!)
幼い少女は、唇を震わせながらも、キッパリと言った。
『魔女は、火が苦手なの。
もし襲いかかってきたら、蝋燭で魔女を燃やしてやっつけるから……』
(駄目……
駄目よ!危ないから戻って!)
私が必死に呼び掛けるが、少女は首を振る。
『ふたごが……待ってるの。
私の助けを待ってるの』