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愛しては、ならない
第63章 once again
私は首を振る。悟志が私に着せた白い可憐なワンピース、幸せな花嫁の象徴の水色のハイヒール、そして神の前で永遠の愛を誓う聖なる教会。
悟志が何を思ってここへ私を連れてきたのか、私は感じ取っていた。時に突飛な事をして私を驚かせる彼の事だ。彼がこういう企みを用意していても不思議ではない――そう思った。
でも私は、悟志の側にいる資格などない。剛を忘れて悟志の妻として生きようと決意して、その心構えで四年間を過ごしてきたつもりでいた――
でも昨夜、そんな決意も心構えもあっさりと崩れて、剛と愛を交わしてしまった。
彼の口付けや愛撫を受けている時に、悟志の事をひと欠片でも思い浮かべただろうか。
いや、私は一晩中、剛に溺れていた。彼のことしか考えていなかった。
こんな私は、悟志の隣に戻ることなど出来ない――
清らかな花嫁の衣装など、私には相応しくない――