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愛しては、ならない
第63章 once again
「う……そ、そうだけど……」
悟志は大きな目を潤ませて唇を尖らせた。
――パパに似ている……と思う。
私よりもずっと大人で、色んな事を知っていて、力も強くて――だって、剛さんに勝ったんでしょう?――
小さな虫も殺せないのに、剛さんを殴って気絶させるくらい強くて……そう、本当は強い癖に、家では、私の前ではいつも優しくおどけてみせたり、子供っぽい振る舞いをする。
だから私はいつも安心して居られた。
パパに、父によく似た優しい彼が側に居ることで、私は子供のままで居られたんだわ……
だから、幼い頃の、双子を育てたいという夢をいつまでも胸に抱いていた――
悟志さんなら、なんとかしてくれる、きっと許してくれるって思って、彼にその夢を打ち明けたんだ。
でも、それがきっかけで悟志さんは『男』に豹変してしまったのだけれど……