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愛しては、ならない
第63章 once again
でも、もしも、もっと早く悟志がぶつかってきて来たなら。
あのクリスマスの夜に、本気で気持ちを打ち明けてくれていたなら。抱き締められていたら――
怖がったかも知れないけれど、でも、少なくとも悟志を見る目は変わったかも知れないのに。
そして、彼に恋をしたかも知れないのに――
私が頭の中で考えている事を、悟志は全部読み取っているかのように苦く唇を噛み締めて何度も頷いた。
「僕は最初から間違ってた……君にプロポーズしたのは、君が好きだから、君を欲しかったからだ……
それ以上の理由なんかない……
君にそう言うべきだったんだ――」
「……悟志さん……っ」
悟志に真剣な瞳で言われ、私は頬が熱くなっていくのを感じた――
今彼に、初めてプロポーズされているかのようにドキドキしていた。