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愛しては、ならない
第64章 エピローグ
俺はふっと笑って彼を挑発するように言った。
「殴れないんですか?……自分の妻を養子に迎えたガキに寝取られたのに、良心が邪魔して出来ないんですか?
貴方は言ってましたよね……暴力では何も解決しないと。人間は会話を出来る生き物なんだから、話し合いをまずはするべきだと……」
悟志は息を荒くして、歯を食い縛って俺を見ていた。
怒っているようにも泣きそうにも見える。
俺は口の端を上げて更に続けた。
「さあ、どうします?話し合いをしますか?……どっちでも俺は構いません……
妻と養子がどんなセックスをしたのか……ベッドの中でどんな風に彼女が喘いだのか……教えてあげましょうか?」
「く……っ」
悟志は瞼をぎゅっと瞑り、何秒かそのままでいたが、小さな声で「ごめん……剛……君に説いた話し合いで解決……は撤回する」
と呟くと、声にならない叫びを上げて腹に思いきり頭突きをしてきた。