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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
巨木は、ゲラゲラ笑う。
『いかにも……
だが、現実はどうだ……
お前のしようとしている事は……
皆が本当に幸せになる選択なのか?
ん?』
(……な、何が言いたいの)
『自分が一番良く分かっているだろう……え?
……お前が、剛をどんな目で見ているのか……』
心臓が大きく跳ねた。
そうだ、私はもう、彼を子供として見ていない。
息子と思う事など出来ないのだ。
『……道を踏み外したら……
まっ逆さまだよ?
その覚悟はあるのかい――?』
剛の、悲しげな、でも綺麗に澄み切った瞳が脳裏を過ると、私は拳を胸の前で握り締め、渾身の力を込めて叫んでいた。
(どうなっても……
構わない……
だって……
私は、彼が欲しいの――――!)