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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
「……真歩?
何だろう……」
画面にタッチして文面を読むが、背中が冷たくなって行った。
嫌な動悸が始まり、額に汗が滲む。
何度もそのメールを読み返すが、何度読んでも現実とは思えなかった。
キッチンから、悟志の呼び掛ける声がして、スマホを持つ手が大きく震えて落としてしまう。
「――菊野?
卵は"かきたま"
にする?
それとも"ぽとり"
て落とす?」
「あっ……う、うん……じゃ、じゃあ……かきたまで……」
「了解~」
悟志の鼻歌を聞きながら、私はまだ震える手でスマホを拾い上げた。