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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
「出来たよ~!
さあ食べ……」
悟志は、鍋とお椀を載せたお盆を持ってくるが、その目を少し曇らせてテーブルにお盆を置き、私の額に手を充てた。
私は思わず身体を固くしてしまうが、悟志は安堵した様な溜め息を吐いた。
「顔色が良くないけど……熱は無いみたいだね……」
優しいその笑顔が、今は堪らなく怖かった。
けれどそれを隠す為に、私は何とか笑ってみせる。
「う、うん。
多分お腹が空いたせいかな?
うわあ、美味しそう!
いただきます!」
私は、掌を合わせて拝むとお椀にうどんをよそった。
手が、まだ震えている。