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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ




祐樹の顔を見た瞬間に、すべての痛みが消え去って今まで感じたことのない高揚と幸福感で一杯になった私は、ママに

「菊野、良く頑張ったね……えらかったわよ?」


と頭を撫でられ、ワンワンと分娩室で泣いてしまった。


そしてこう思ったのだ。



(ふたごは無理でも、この子に弟を産んであげなくちゃ……)




祐樹は祖父や祖母、悟志に可愛がられてのびのびと育っていった。



人見知りもせず、初めての場所に連れて行っても臆す事の無い祐樹は誰からも「イイ子だね」と言われた。



私のあとを何時もついて回る祐樹が可愛くて堪らず、良くギュッと抱き締めてはキスをした。



喋れる様になると、祐樹はよく


「ママ、ケッコン、して」


と挨拶がわりみたいに、愛くるしい瞳をクリクリさせて言ったものだ。


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