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愛しては、ならない
第10章 カーネーション
剛がこの家に来る前も施設から外出を一緒にしたり、週末に一泊して慣らしたりした成果か、二人はかなり打ち解けた様に見えていた。
年齢が離れているのがかえって良いのかも知れない。
祐樹も小学生になると、同い年の友達と遊ぶ事が増え、その影響かしばしば覚えたての生意気な言葉をわざと使う事もあった。
そして、好きな女の子も出来たらしく、剛に相談しているのを見かけた事もある。
私が心配して祐樹に聞き出そうとすると、祐樹は悪戯な笑みを浮かべて
「ママにはヒミツ!」
と、絶対に教えてくれない。
ついこの間までは私に何でも話してくれたのに、寂しい気持ちになるが、剛がそんな私の心情を知ってか知らずか、こっそりと教えてくれる事もあった。
「……同じクラスの真理亜ちゃんに、付き合って、と言われたらしいです」
と、耳打ちされた時にはあまりの衝撃に叫んでしまった。