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愛しては、ならない
第10章 カーネーション
「ママ、おめでとう」
囁き声と小さな吐息が、頬にかかり、チュッと冷たい感触を感じる。
どうやら、祐樹がキスしてきたようだ。
(小学生になってお兄さんになったと思ったのに……祐樹ったら……)
私は内心嬉しくてたまらないが、顔に出してはいけない。
引き続き寝ている振りをしていたら、剛の呆れ声がする。
「……おい、そんな事をして起こしてどうするんだよ」
「え――いいじゃない!
お祝いのチューだもん!
そうだ、剛もママにチューしてよ!」
「えっ?」
(――えええええええ――っ!!)
剛が戸惑った声を出したが、私はもっと大変な事になっていた。