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愛しては、ならない
第10章 カーネーション




そう思っていたら、祐樹が命令口調で剛に言った。



「ママにチューしないと、もう剛と口利かないよ」



(祐樹――!
何を無茶苦茶言うのよ!)


私は寝たふりを続けながら胸の中で喚くが、剛が愉快そうに低く笑うのが聞こえてドキリとした。



剛は、いつの間にか声変わりをしたらしい。


男の子は不思議だ。


いつまでも少年かと思っていたら、ある日突然大人を感じる事がある。


剛の学生服姿を見た時にも、これから彼がどんどん大人の男性に変わっていく予感がして、ドキドキしたが、今こうして側で低い声を聞くと、身体の奥がぞくぞくしてしまう。



(やだ……
私、これじゃあ変態みたい……)



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