この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第10章 カーネーション
そう思っていたら、祐樹が命令口調で剛に言った。
「ママにチューしないと、もう剛と口利かないよ」
(祐樹――!
何を無茶苦茶言うのよ!)
私は寝たふりを続けながら胸の中で喚くが、剛が愉快そうに低く笑うのが聞こえてドキリとした。
剛は、いつの間にか声変わりをしたらしい。
男の子は不思議だ。
いつまでも少年かと思っていたら、ある日突然大人を感じる事がある。
剛の学生服姿を見た時にも、これから彼がどんどん大人の男性に変わっていく予感がして、ドキドキしたが、今こうして側で低い声を聞くと、身体の奥がぞくぞくしてしまう。
(やだ……
私、これじゃあ変態みたい……)