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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
私は、チョコレートの小さなプレートにデコペンでお祝いメッセージを描こうと考えていたが、いざやろうとすると、これが中々難しい。
"合格おめでとう"
と描きたいが、字が多すぎて無理だと断念し、シンプルに
"おめでとう"
と描く事にしたが、それでもやはり難しかった。
「う――ん……
でもやっぱり、ケーキの真ん中にメッセのプレート置きたいなあ……
五文字描くって結構大変……」
何か他に良い言葉はないかと考えてみるが、一向に良いアイデアが浮かばず、私はリビングのピアノにぼんやりと目を向ける。
剛が優美に弾く姿が浮かび、ひとりでに頬が緩んでしまう。
「メッセージかあ……」
――好き……
て、言えたらいいのに……
ふとそんな思いが沸き上がり、直ぐ様否定する。
「もうっ……!
何をバカなこと考えてるの!」