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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
デコペンを手に、剛がこの間、訪ねてきた女の子に門の外で告白されていたのを目撃した事を思い出してしまった。
休日の朝、私はパジャマのまま欠伸をしながら新聞を取りにドアを開けたのだが、そこに可愛い女の子が佇んでいた。
欠伸しかけた口を掌で覆い、
「えっと……うちに、何か?」
と聞くと、女の子は恥ずかしそうに俯いた。
剛と同じ位の年頃だろうか、清楚な水色のワンピースに、肩まで伸びた髪はサラサラと輝き、唇はうっすらとピンク色をしていた。
多分、お化粧はしていなくてリップクリームだけ塗っているのだろう。
(若い子って、それだけでもグンと綺麗になるのよね……
羨ましい……)
思わず彼女の抜ける様な白い肌に見とれていると、後ろから剛が顔を出した。
「……菊野さん、そんな格好で……新聞なら僕が」
すると、彼女は頬を紅く染めて小さく微笑み、剛も彼女を見て目を見開き言った。
「清崎……さん?
どうしたの」