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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
清崎さんと呼ばれた女の子は、赤と白のギンガムチェックの紙袋を胸に抱くように持っていたが、剛に向かって勢いよく差し出して90度のお辞儀をした。
「あ、あの……
チョコレート、作ったの……
美味しくなかったらごめんなさい!」
私はその時、今日という日がバレンタインだった事を思い出したのだ。
(まずい……
邪魔者は消えなきゃ……)
と思いながら、私はコソコソと玄関のドアを閉めようとしたが、閉じられる寸前、清崎さんの
「す、好きです……」
という言葉が耳に入ってしまい、動揺した私はドアで指を挟んでしまった。
「い、いた――いっ」
指を押さえ絶叫すると、何事かと祐樹と悟志が飛んできた。
「ママ!?どうしたの?」
「菊野――!大丈夫か!」