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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
人差し指を抑えて涙目の私は、二人に
「うん……だ、大丈夫……」
と言うが、みるみるうちに鬱血する指を見て悟志は青くなりオロオロする。
「わっ……た、大変だっ」
「手当てするね!」
祐樹の方が冷静で、素早く救急箱を持ってきてくれて湿布を巻いてくれる。
「ありがとう……祐ちゃん」
「も~ママはそそっかしいんだから」
「うう……」
私は、痛みに耐えながら、ドアを隔てた向こうの二人の様子が気になって仕方がなかった。
(剛さん……
その子と、付き合うの……?)
指がズキンと疼くと同じに胸も痛む。
不意に頭を撫でられて顔を上げると悟志が苦笑している。
「暫く家事はしない方がいいな……
今日は店屋物か、それとも僕がたまにはご飯作ろうか?」
「悟志さん……」
「――菊野?」
悟志が吃驚した顔をしている。
私は、いつの間にか泣いていたのだ。