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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
「……っ」
――見られた……剛さんに……
心臓がバクバク嫌な音を立て、挟んだ指が更に痛んだ。
「思春期の剛には刺激が強かったかな……ふふ」
悟志は頭を掻くが、私は曖昧に笑うしかなかった。
その夜、剛と清崎さんという女の子がどんな会話を交わしたのかが気になって仕方がなくて、私は眠れずに何度も寝返りを打っていた。
隣の悟志の鼾が大きくて寝付けないせいもあった。
時々こうして大きな鼾を掻く事があるけれど、何処か身体が悪いのではないだろうかと心配になる。
いくら悟志が若く見えても、実際は私より20も歳上なのだから、そろそろ健康の心配をした方が良いのかも知れない。
時計を見ると、日付が変わろうとする時刻だった。
私は何か飲もうと思い、静かにベッドから降りてキッチンへ行ってみた。