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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
ティーポットに茶葉を入れ、お湯を注ぐと二階から剛が眠そうな顔で降りてきた。
私はドキリとしたが、平静を装い彼に話し掛ける。
「剛さん、眠れないの?良かったらお茶をいかが?」
「はい……いただきます」
剛は微かに微笑み、キッチンのカウンターの椅子に座った。
私は俄に緊張していた。
この家に一緒に暮らす様になってから、剛と二人きりになる事はたまにあったが、こうして真夜中に顔を合わせるのは初めてだった。
(何か羽織ってくるべきだったかな……でも、別に私に関心無いだろうし平気よね)
私はその日、たまたま薄い生地で胸元が空いているパジャマを着ていたのだが、今更気にしても仕方がない。
剛の目線が泳いでいる様な気がするが、私は気に留めずにカップに紅茶を注いだ。
「――指、大丈夫ですか」
「え?……う、うん。
朝から騒いじゃってごめんなさいね……
腫れてるけど……二、三日すれば痛みもひくと思う……」
剛は包帯を巻いた私の指をじっと見て唇を歪めた。