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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
「――っ?」
振り返ると、剛は困った様な優しい笑いを浮かべている。
「……彼女とは、友達から、て事になりました」
「そ、そうなのね、おめでとう!
お休みなさいっ」
私はキレた様に叫び、腕を振り払おうとしたが、剛が離さない。
私は胸の高まりが頂点に達して、掴まれた手からも激しい脈が彼に伝わってしまいそうで焦る。
剛は私の怪我した指を見て目を臥せると、小さな声で言った。
「――指が治ったら、また作って下さい」
「――!」
私が涙目で彼を見上げると、剛は自分が着ていたパーカーを私に羽織らせ、二階へ上がって行ってしまったのだ。