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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
それでも、ふと思ってしまう。
もしも私が、彼と違う形で出逢えていたら。
もしも私が彼と同じ位の年齢なら。
あの清崎という女の子の様に、想いを告げる事が出来たのかも知れない。
「……いや、いやいや無理無理……私が中学生の頃なんて、男の子と口を利いた事も無かったし……
もし私が剛さんと同じ中学生だったとしても……私に手に負える男の子じゃないだろうなあ……はああ……」
不毛な物思いに沈みながら、私は無意識にデコペンでプレートに
"すき"
と描いてしまっていた。
眺めながらぼんやりと呟いてみる。
「……すき……」
その時、玄関のドアが開き、私はまさに飛び上がって驚いてしまった。
「ひいいっ」