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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
「……ただいま」
剛が顔を出し、吃驚している。
「お……おかえりなさいっ」
私はへどもどしながら笑う。
剛は学生服を脱ぎ、ソファに掛けシャツの第一ボタンを外しながらキッチンのケーキを見て頬を緩めた。
「美味しそうだね……お祝いのケーキ?
それとも、それが菊野さんからのバレンタインかな?」
「うっ!……うううん、両方かな?
て、剛さん……どう……だったの?」
私が相当不安げな顔をしていたのだろうか。
剛はプッと吹き出し、笑って言った。
「受かりましたよ」
「ああ――!良かったあ……!私実はずっと胃がキリキリしてて……
剛さんなら大丈夫って、真歩も太鼓判押してくれたんだけど、私心配で何度も
"本当に?絶対?"
て繰り返し聞いたら、しまいにはキレられちゃって~
あの子にも報告しなくちゃね!」
私はウキウキとした気持ちで、電話をしようとキッチンを離れリビングのテーブルの上のスマホを取るが、剛がケーキの側に寄り感嘆の声を上げるのを見て、内心得意になってしまう。