この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
ふと、この家の中の光景に自分は似つかわしくない、と思ってしまう瞬間がある。
剛は、家に友達の男子達が遊びに来る度に、よくこう言われたのだ。
「なあ剛、お前の母ちゃんて若くね?」
「てか、可愛いよな~
いいよな~!」
「あんな母ちゃんなら、俺間違い犯すかも~
ハハハ~!」
「あ~そうだな、起こしに来たらそのまま押し倒すとか?」
「うっわ~たまんね――!」
それはいつもの軽口だったが、ある日、剛の中で突然黒い嫌悪が込み上げ、気が付けば同級生の胸ぐらを掴んでいた。
周りの同級生達は呆気に取られ口をポカンと開け、胸ぐらを掴まれた友達は蒼白になり唇を震わせていた。
「……じ、冗談だよっ……そんなに、怒るなって……」
剛は、我にかえり手を離したが、 自分の胸が早鐘を打ち、呼吸が荒くなっているのに今更気付き、愕然としたのだ。
(俺は、今何をして――?)