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愛しては、ならない
第12章 その花は、手折(たお)られて




検討の末に、菊野が好きなセレクトショップのハンドクリームを贈る事にした。


手肌に染み渡る滑らかさと、ローズの上品な香り、パッケージの可愛さで女性に大人気で、店に置くとあっという間に売り切れてしまうという代物で、真歩は家庭教師の予約の入った日に、菊野に

「今日は剛君と社会見学&社会勉強に行ってきま~す」


と出まかせを言い剛を連れ出して、発売日に店に並び手に入れたのだ。



「……女の人って、こういう物が好きなんだな……わざわざ並んでまで……」


菊野も、前回の発売日に並んだが、自分の前の客までで売り切れてしまい相当悔しがったらしい。



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