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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ
それから二週間経ったある日、夕食の準備をしている最中に吐き気を催した私は洗面所に駆け込んだ。
「ママ?どうしたの?痛いの痛いの飛んで行け――」
吐き続ける私の背中を、祐樹がさすってくれた。
「あ……ありがとうね?祐樹」
「ママ、お医者さんに行った方がいいよ」
「そうね……」
返事をして、身体中がゾワリと震えた。
……まさか……?
それは、喜ばしい気持ちでは無かった。
翌日、私は産婦人科で妊娠を告げられ、帰宅してからショックで寝込んでしまった。
本当に発熱してしまい、丸一日起き上がれなくて実家から母が手伝いに来てくれた。
「よりによって悟志さんが出張の時に大変ねえ……」
「ね――?」
母の口調を祐樹が無邪気に真似をする。
「祐樹、偉かったねえ……いつ電話のかけ方を覚えたの?」
「えへへ」
祐樹は、私が寝込んでしまった後、自分で家電を使い実家へ知らせてくれたのだ。