この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ
「ありがと……ね祐樹……」
「ママ、お熱さがるといいね?」
「うん……っ……あっ……痛っ」
急に、下腹部に鈍い痛みが走る。
「ママ?」
「菊野、どうしたの」
一旦引いたかの様な痛みは、波のようにまた襲ってきた。
私は丸まり呻いた。
「い……痛い……
お腹が……痛い」
「ママ、ママ!」
「菊野!」
祐樹と母の声が遠くなって行った。
目覚めた時、そこは病院 だった。
手が暖かい……
悟志が私を見つめながら手を握っていたのだ。
現実なのか夢なのか、わからずに私は呟いた。
「赤ちゃん……は」
悟志はクシャリと顔を歪めると、俯いた。
「菊野……っ」