この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ

悟志の表情で私は察した。
「赤ちゃん……
行っちゃったんだ……」
自分のお腹を撫でた瞬間、ボロリと涙が溢れ出た。
妊娠する事を恐れていたはずなのに。
妊娠を告げられてショックだったはずなのに……
今、自分の身体から命が去ってしまった事にとてつもない喪失感に襲われた。
怖いと思ってしまったから……
私が、妊娠してショックだった事を、赤ちゃんが感じ取って自ら去っていったのかも知れない……
「ごめんなさい……ごめ……っ」
しゃくり上げる私を、悟志が抱き締めた。
「菊野……っ……
もういい……」
「ごめ……ごめんなさい……っごめんね……」
「……君の身体に負担をかけたくない……
どうしてもきょうだいが欲しいなら……
菊野のしたいように、すればいい……」
「悟志さ……本当?」
「ああ……」
熱い涙がまた溢れて、私もきつく抱き締め返した。

