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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②



もう一ヶ所寄りたい場所があるから、という彼女と手を繋ぎ、二人で西陽が射す街中を歩く。


帰りたくない、という言葉に危うく勘違いしそうになったが、ただ単にそういう意味なのか、と俺はひとり苦笑する。


ドラマなどでたまに見る様な場面にデジャヴを感じたが、実際にはああいうシチュエーションはあまり無いのかも知れない。

大体が、俺達はまだ中学生だ。

――いや、俺は既に女の身体を欲しがる欲も、多分女を犯す機能も備わっているが、清崎は純情な女の子だ。

間違っても、そんな行為を自分から誘うとは思えない。



清崎は真剣な顔で隣を歩いていて、何だかそれが可笑しかった。

何処へ寄りたいのだろうか。

ふと、菊野が好きだと言っていたセレクトショップを思い出す。

女の子は、ああいう店が好きらしいから、ショッピングをしに行くのだろうか。


だが、もう十分程歩いているが、どう考えても店が沢山並ぶメインストリートから外れている。


気が付けば、周囲はカラフルな装飾で施されたり、変わった形の屋根が付いていたりするホテルが建ち並んでいる。






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