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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②



「……清崎、何処にいくつもり……」


清崎は、普通に繋いでいた手をほどき、俺の腕にしがみつき、思い詰めた目で見上げた。


「剛君……
ここ、入ろう……」


「――!?」


清崎がいう"ここ"とは、どう考えてもラブホテルだ。


何か勘違いをしているのだろうか、と思い、俺は聞いてみる。



「清崎……
ここ、どういう場所なのか分かって言っているのか?」


清崎は、唇を結び真っ赤になり目には涙を溜め、腕にしがみつく力を込めた。



「わ、私……
今日は、パパもママも帰って来ないの……
だから……」



腕に、彼女の柔らかい胸が当たり、俺は電流に撃たれた様に震えるが、懸命に彼女を押し戻そうとした。



「清崎……
どうしたんだよ……
お前らしくな……」



その時、脳裏に、今朝の菊野の冷たい横顔が過った。



――気を付けて、行ってらっしゃい――


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