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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
ズキン、と胸が疼き、ときめきに目眩を起こしそうになるが、俺は懸命に平静を装い、彼女の頬に触れた。
「……晴香……」
名前を呼ばれ、彼女は満開の薔薇のように笑い、頬を赤らめる。
――このまま見詰めていたら、我を忘れてしまう。
「俺達、まだ付き合い始めたばかりだろう……?
今日で無くても……
いいだろう?」
俺は、目を逸らし彼女の腕を引っ張りドアを開けるが、彼女は俺の首に腕を回し頭を引き寄せ、自ら口付けて来た。
「――――っ」
瞬間瞼を閉じると、火花が散った。
いけない、と思う気持ちよりも、込み上げる欲情の方が勝り、気が付けば俺は半開きのドアの前に凭れ、彼女に烈しく口付けていた。