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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
剛は、清崎と手を繋ぎ歩いていた。
二人はまるで一枚の絵の中に描かれた様に自然でお似合いに見えた。
彼女が剛を見詰める眼差しに、私は焦りを感じてしまった。
――ダメ……
そんな風に剛さんを見詰めちゃダメ……
そんなキラキラした瞳を向けたら……
剛さんの心が、動いてしまう……
急に目の前で人が横切り、私は行き先を塞がれ立ち止まる。
二人の姿が見えなくなってしまい、私は失望の溜め息を吐いた。
でも、追い掛けて、私はどうするつもりだったのだろうか。
私には剛が恋人を作るのを止める権利も理由もないのだ。
あの子と交際を順調にしているなら、寧ろそれは喜ぶべき事なのだ……
そう、家族として……
「……痛い」
喉の奥がギュウと絞められて、私は顔を歪めた。