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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②
私は、何か間違えているのだろうか。
彼の気持ちに対して、目を逸らし拒否する他にも何か、出来る事は無いのだろうか。
いや、そんな方法も何もある筈はない。
そんな方法があるなら、こんなに苦しむ必要はない……
彼が、他の女の子に目を向け、私の事などどうでも良くなってくれれば、と願っていたのに、いざその場面を見てしまうと、正反対の感情が噴き出す。
二人は長い長いキスをして唇を離し、熱く見つめあっている。
――もう、これ以上見たくない。
耐えられない!
立ち上がろうとするが、腰が抜けてしまってどうにも動けない。
道行く人々が私を怪訝な顔で見て、かかわり合いになりたくない、という表情で通り過ぎていく。
私は歩道に手を突き俯いて呟いた。
「つ……
剛さ……っ……」