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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ




そして、祐樹が六歳になる少し前に訪れた千葉の施設で、剛と出会う事になる。


数えきれない施設に電話をかけ、沢山訪問してみたが、祐樹に面差しが似た子供が見付からずに諦めかけていた矢先だった。


"希望の家"という施設に祐樹を連れて見学に行き、園長の説明を聞きながらフロアを通り過ぎようとした時“大地賛唱"の合唱とピアノの音色が聞こえてきた。



「年に一度、地元の老人ホームに合唱を披露しに行くんです……
皆一生懸命にやってますでしょ?」



園長は誇らしげにしていた。



私の目は、ステージの下手でピアノを流麗に奏でる男の子に奪われた。



年頃は祐樹より三つか四つ上だろうか。

佇まいが子供らしかぬ雰囲気だった。


その指が奏でる音色はとても美しいのに、心の脆い処が抉られて引き摺り出される様な残酷さを感じて鳥肌が立った。


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