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愛しては、ならない
第16章 貴方との夜

スマホを持ち呆然とする私を見て、剛は怪訝な表情をしながら救急箱を手にやって来た。
「どうしたんです?
困った事でも?」
「う……ううん」
私は曖昧に返事をするが、彼と目を合わせられない。
祐樹は今晩帰らない。
悟志までも帰らない。
つまり、この家で、彼と二人きり――
一晩じゅう、私と、彼だけなんて――
どうしよう、どうしたらいいの……?
「……ストッキングを脱いで下さい」
「――っ!?」
私がビクリと震えて真っ赤になると、彼は苦笑いしながら消毒液をピンセットで摘まんだコットンに染み込ませる。
「手当てしますから……」
「あ、ああ、そ、そうね!
お、おおおお願いします」
変な風に取ってしまい勝手にドキドキしてしまった自分が猛烈に恥ずかしくなる。

