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愛しては、ならない
第16章 貴方との夜



「覗いたりしませんから、安心して入って来て下さい」


また涼しい顔でさらりと言われ、私は顔中が熱くなる。


「あああああ――ったり前じゃななないっ!
お、お言葉に甘えて、お先にいただいてくるわね――!
じゃっ!」


狼狽えて赤くなった顔を見られたくなくて、私は叫びながら小走りに着替えを取りに寝室へ入った。


剛の低い笑い声を背中に聞きながら、不意に切なくなる。



(――私、何を浮かれてるんだろう。

二人きりだからと言って、何がある訳じゃないのに……)



そう思いながらも、私は部屋着をいくつか引っ張り出してベッドの上に並べて迷っていた。


「何を着よう……」



悟志が選んでくれた短いショートパンツにキャミソールの胸に大きなリボンが付いた部屋着を手に取る。

色もピンクで可愛いのだが、セクシー過ぎるだろうか。


一度しか着ていないのだが、悟志が物凄く誉めてくれたのだ。



"菊野は色白だから、よく似合う……
それに……君の身体をより綺麗に見せているね……"



そして、その後悟志に烈しく攻められ、寝かせてもらえない夜になったのだ。


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